my artkit.とは
「我が子との思い出の一枚を絵画として残したい」
2016年、私たち家族は横浜を離れ、ロンドンで新しい生活を始めました。しかし、2020年にコロナ禍が訪れ、家族の日常は大きく変わりました。オンライン授業に追われる子どもたち、そしてデジタル機器に囲まれた閉塞感に、私たち親子は疲弊していきました。特に反抗期を迎えた長男との関係は悪化していました。
そんなある日、私はロンドン滞在中に撮った数々の写真を見返していました。スマホの中にはたくさんの思い出が詰まっていましたが、それらをもっと温かく、心に残る形で残せないかと考えていたときに、偶然見つけたのが「ペイントバイナンバー」というサービスでした。これは、塗り絵形式で自分の手で絵を描くキットです。試しに、息子たちと一緒にこのキットを使って絵を描いてみることにしました。
私は絵のセンスもなく、高校の美術の授業以来、絵の具や筆に触れることもありませんでした。普段は美術館で見るだけの絵画ですが、自分で絵を描くという体験は新鮮で、色を重ねるごとに思い出の瞬間が蘇ってくる感覚がありました。また、スマホなどのデジタル機器から離れ、無心で時間を忘れるほど何かに没頭するのは、久しぶりのことでした。
最初は、面倒くさそうに嫌々参加した息子たちでしたが、塗り始めて見たら、写真を撮ったときの旅の思い出話に華が咲き、笑顔があふれ定期的に 3 人で一つの 絵を完成させるという共通の目標が出来ました。私たち親子は、お菓子やジュー スを用意して、ちょっとしたパーティーをしている感じでペイントを楽しみました。共通の目標に向かって絵を完成させる体験は、まさに「一緒に作り上げる」時間であり、私たち家族はこの絵画制作を通じて、再び絆を感じることができました。そして、いよいよ完成した絵がこちらです。
絵画を共作するという新しいエクスペリエンス
このペイントバイナンバーの魅力は、プロレベルの絵が描けることだけではなく、デジタル全盛の今だからこそ、時間をかけて作り上げる作品に込められた想いを、大切な人と共有できる点にあります。そして何より、家族との思い出や絆を、日常の中でインテリアとして身近に感じられることです。
大切な人に対する愛や感謝の気持ちは、時に言葉で伝えるのが難しいものです。かつての私のように、思いを伝えたい人や、もっと距離を縮めたいと願う人は多いのではないでしょうか。そんな方々のお役に立ちたいと思い、私は「my artkit.」のサービスを始めました。
絵画は、ただ見るだけのものではなく、自分で体験することでその価値がさらに深まります。「my artkit.」を通じて、絵画制作が日常にもっと身近なものとなり、感動を生み出す体験を提供したいと考えています。絵画を通じてつながる瞬間、そして自ら作り上げた作品が一生の宝物となるような体験を、皆様にお届けします。アートを通じて人々が繋がり、日常に豊かな体験と感動が生まれる社会の実現を目指します。